神聖なる池バライ / Barai Muang Tam : 訪問日 13Aug2006、 20Dec2009


このバライ(Barai)は、Buriram県のA.Prakhon ChaiのBan Kok Muangにあります。

右は、 Prasat Muang Tam
Information Centerにあった
航空写真です。

このバライは、
Prasat Myang Tamの
すぐ北側にあります。









以下は、バライの説明板です。



















バライの大きさは、南北にに510m、東西に1090m、深さが3から4m。
北と南の辺の中央部には、バライへ降りて行く為の5段の階段を持つ踊り場(6.5x17m)が
ありました。
この踊り場は、神に捧げる儀式に使用されたのだと思います。
そして、かつ、バライは、農業で生活を営む為に水を蓄える実用的な人口の貯水池でも
ありました。
水はPhnom Rung山や、Plaibat山から、このバライへ向かって流れ込みます。
西側土手には、Saphan Khom(コム橋)と呼ばれる取水口がありました。
そして、北東と南東にある排水口から、田畑をうるおす為に水を排出していました。




北西隅から、南に向かって西側の土手を見たところ。

バライの縁は、ラテライトでできています。

水が多くて見えませんが、
もしかすると全周階段状にラテライト護岸が
造られている??












西側土手の中央部です。

ここに、Shapan Khom(コム橋)と呼ばれる
取水口がありました。

取水口と説明板にはありますが、
ここには石橋があったのだと思います。
しかし、今はありません。







その取水口があった真上から、
取水口があった辺りを眺めたところ。

土手がえぐれて、ラテライトの縁まで、
三角形状に水が溜まっています。

今は、ここに土管でも埋めてあるのか?
上部は、車が通れる舗装道路になっています。








その舗装道路を隔てた反対側には、
川があり、水が流れ込んでいました。

















その西側土手の上から、
北と東の土手方面を眺めたところ。














南側土手の上から、バライを眺めたところ。















東側土手の上から、北側土手を眺めたところ。














その北側の土手の向こうには、 Prasat Phnom Rung があるPhnom Rung山が見えます。






















バライの北東隅です。

この辺りに、排水口があったのだと思います。
しかし、今は何も無さそうです。











南側土手から、バライ越しに、Phnom Rung山を見たところ。












■参考:
クメールの池水を表す語句(石澤良昭著「東南アジア多文明世界の発見」参照)は、以下です。
・タターカ:サンスクリット語で聖池を表す。例として、インドラタターカ。
・ラハール:パーリ語で、池・湖を意味する「ラハダ」に語源を持ち、神聖な池を表す。
・バライ:サンスクリット語で、「横切りの行為」を意味する「パーラーヤナ」から派生。

池水ではないけれど、池水に関係する言葉は以下。
・メボン:「恩恵あふれる母」の意。
 メボンは、バライ(聖池)の中心にあり、メボン祠堂へ到達する為に、
 この聖池を渡り、世俗の穢れが浄化される、水垢離の意味がありました。
 例として、東メボンがあります。

・トゥナル:堤防
・チャンフヴァル:灌漑用水路
・チュディン:川を意味し、現在のクメール語では、ストゥン。
・ジャローイ(チュローイ):水中に突出した土地。




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